【12月7日 AFP】ロシアとフィンランドの国境付近にある森林に偽の国境標識を建て、南アジア出身の移民労働者4人を欧州連合(EU)圏のフィンランドに密入国させてお金をだまし取ろうとしていた男が、ロシア当局に身柄を拘束されたことが分かった。

 事件発生は先週。男は、ロシアとフィンランドの国境と見せ掛けて偽の国境フェンスの支柱を建て、4人を連れて車や徒歩で遠回りして移動。その後、男と移民の計5人が当局に身柄を拘束された。当局は、男の誘いに乗ったとみられる4人の国籍については明らかにしていない。

 ロシアのインターネット上で出回った動画には、帽子をかぶってパーカを着た男たちが暗いモミの森の中で両手を上げて立っている様子が映し出されている。

 ロシアのインタファクス(Interfax)通信は4日、国境警備局の情報として、男は、EU加盟国のフィンランドに連れて行くと4人の移民に1万ドル(約109万円)以上を請求していたが、「約束を守るつもりはなかった」と報じている。 

 サンクトペテルブルク(St. Petersburg)の裁判所は4日、南アジア出身の不運な移民たちに罰金を科し、国外退去を命じた。報道によると、密入国を計画した男は中央アジア出身で、詐欺罪に問われる可能性がある。(c)AFP