【12月6日 AFP】サウジアラビアの国営石油会社サウジ・アラムコ(Saudi Aramco)は5日、新規株式公開(IPO)の公開価格を仮価格の上限に設定した。複数の情報筋がAFPに明らかにした。同社はIPOで256億ドル(約2兆8000億円)の調達を見込む。

 巨大石油企業サウジ・アラムコの資金調達額は、中国の電子商取引(EC)大手アリババ(Alibaba、阿里巴巴)が2014年、米ニューヨーク株式市場に上場した際の調達額(250億ドル)を上回る。

 これにより同社の評価額は1兆7000億ドル(約185兆円)となり、1兆ドル超の巨大企業である米アップル(Apple、1兆2000億ドル)、マイクロソフト(Microsoft)とアリババ(1兆1000億ドル)を大きく引き離す。

 情報筋によると、取引は今月12日、サウジ証券取引所(タダウル、Tadawul)で開始される。公開価格は1株32リヤル(約930円)で、アラムコが先月設定した仮価格(1株30~32リヤル)の上限に当たる。ただ、アラムコに助言をしている大手銀行は、取引開始数日間の変動を抑えるためには慎重に見守る必要があると述べている。

 アラムコの株式上場には、サウジアラビアが石油依存から脱却し、経済の多角化を促す狙いがある。

 アラムコはIPOで株式の1.5%の公開を見込んでいる。(c)AFP