【12月4日 AFP】国連(UN)の世界気象機関(WMO)は3日、2010年代の10年間の平均気温が過去最高になるとの見通しを明らかにした。

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 WMOによると、今年これまでの世界の平均気温は、産業革命前の1850~1900年の平均より1.1度高くなり、1850年の観測開始以来トップ3の高さ。エルニーニョ(El Nino)現象が発生していない年としては過去最高となる見通し。

 さらに、2019年の大気中の二酸化炭素(CO2)濃度も化石燃料の燃焼やインフラ整備、農業や物流などによる人為的なCO2排出によって過去最高を更新する見通しで、さらなる温暖化は避けられないという。

 気候変動は、決して将来世代が直面する事象ではない。WMOの報告によると、2019年上半期には1000万人超が国内避難を余儀なくされた。うち700万人が避難した直接的な原因は、嵐や洪水、干ばつなどの異常気象事象だった。異常気象によって避難を余儀なくされる人の数は、今年末までに2200万人に上る可能性もある。

 スペインの首都マドリードでは現在、2015年に採択された地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」のまだ決まっていない規定についての合意を目指し、各国が議論を交わしている。パリ協定は、産業革命以前からの気温上昇を2度よりも「十分低く」抑えるのを目標としている。(c)AFP