【12月2日 AFP】シリア反体制派の最後の主要拠点となっている北西部イドリブ(Idlib)県で2日間続いた政府軍と武装勢力の衝突により、両勢力合わせて70人近くが死亡した。在英のシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)が1日、発表した。

 同監視団のラミ・アブドルラフマン(Rami Abdel Rahman)代表は今回の衝突について、ロシアの仲介による停戦合意が発効した8月末以降で「最も激しかった」と述べた。

 停戦発効後に戦闘は減ったが、11月に入って空爆と衝突が増えた。同監視団によると、停戦発効後の死者は、政府軍と反政府勢力の戦闘員を合わせて460人以上、民間人は160人以上となっている。

 戦闘に巻き込まれたイドリブ県南部の住民は北部に避難を余儀なくされている。今年になって戦闘が激化し、同地域からはすでに大量の避難民が脱出している。

 一触即発の状況下で2日前に妻と子ども3人を連れて脱出したという男性は、「自分の子どもたちが、がれきの下敷きになるのを見たくない」と述べた。

 シリアの国土の70%以上を政府側が支配している中、イドリブ県は政府軍に抵抗する反体制派の最後の拠点の一つ。2011年にシリア内戦が勃発して以来、死者は37万人以上、避難民は数百万人に達している。(c)AFP/Omar Haj Kadour