【11月26日 AFP】イタリア・セリエA、ブレシア(Brescia Calcio)のマッシモ・チェッリーノ(Massimo Cellino)会長は25日、チームの成績が低迷している中でFWマリオ・バロテッリ(Mario Barwauh Balotelli)が直面している難しい立場を「ブラック」と表現して批判を浴びた。

 昇格組のブレシアが0-3で敗れた24日のASローマ(AS Roma)戦で、バロテッリは練習意欲が欠けていると指摘されて新指揮官のファビオ・グロッソ(Fabio Grosso)監督と対立したことにより、ベンチ入りメンバーから外された。

 チェッリーノ会長は25日に開かれたセリエAの会合で、「彼(バロテッリ)に関して、私に何と言ってほしいというのか?」とすると、「今の彼はブラックで、状況を整理しているところだが、いろいろと難しい問題を抱えている」と述べた。

 その際に会長は、「黒」や「暗い」を表す「nero」と、「明るくする」や「整理する」などを意味する「schiarirsi」というイタリア語の単語をかけていた。

 ブレシアはその後コメント文を発表し、チェッリーノ会長の発言は「逆説的なジョークであることは間違いなく、明らかに誤解されてしまった。メディアの過熱報道を沈めようとしたものであり、選手自身を擁護する意図で話したことである」と弁明した。

 イタリア南部シチリア(Sicily)島の出身で、ブレシア(Brescia)近郊に住む家族の養子として育ったバロテッリは、6月にフランス・リーグ1のオリンピック・マルセイユ(Olympique de Marseille)を退団した後、ブレシアと3年契約に合意。しかし、今季は7試合に出場して2得点にとどまるなど、新天地では難しいスタートとなっている。

 そうした中でチェッリーノ会長は、チームがリーグ最下位に沈んでいる責任を29歳のストライカーに負わせるわけにはいかないという認識を示し、「一人の選手がチームを救えるとは考えていない。それはチームにとって間違いだ」と述べた。

「私が彼と契約したのは、彼が190センチの長身で、野性的で、ソーシャルメディアではなくサッカーのピッチで存在感を示せる年齢だからだ」「しかし、ブレシアが置かれている難しい状況の責任を、彼に負わせるわけにはいかない。このままバロテッリの話題を続けていたら、われわれは彼と自分たち自身を傷つけてしまう」 (c)AFP