【11月25日 AFP】男子テニス、国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup 2019)の決勝でカナダを下し、通算6回目の優勝を果たしたスペインのラファエル・ナダル(Rafael Nadal)が、今大会では全力を出し尽くしたと認めた。

 スペインは第1試合でロベルト・バウティスタ・アグト(Roberto Bautista Agut)が7-6(7-3)、6-3のストレートでフェリックス・オジェ・アリアシム(Felix Auger-Aliassime)を退けると、続けてナダルがデニス・シャポバロフ(Denis Shapovalov)とのエース対決に6-3、7-6(9-7)で勝利し、優勝を決めた。

 優勝までの過程で、スペインは登録メンバー5人全員が試合に出場したが、それでもラ・カハ・マヒカ(La Caja Magica)の母国のファンの前で見せたナダルの大車輪の働きは、大きな違いをもたらした。ナダルは33歳ながら8試合に出場して全勝。激戦となった英国との準決勝ではシングルスとダブルスの両方に出場し、そしてこの日の決勝では優勝が決まるシャポバロフ戦を任された。

 ナダルは「長く苦しい一週間の最後に、非常にタフな相手と戦うことになった。肉体的にも厳しかった。何しろこの大会に持てるエネルギーのすべてを注いできたからね」と話した。

「本当に、僕らにとってこれ以上ないシーズンの締めくくりだ。デビスカップ優勝がどれだけ難しいか、そして繰り返し優勝するのがどれだけ難しいかはみんな分かっているから、このチャンスをものにするしかないと思っていた」

 英国との準決勝で、ナダルとペアを組んでジェイミー・マレー(Jamie Murray)/ニール・スクプスキ(Neal Skupski)組を下したフェリシアーノ・ロペス(Feliciano Lopez)は、ナダルが「スーパーヒーロー」だったと表現している。

「言葉では言い表せないことがある」「きのうのダブルス、そしてきょうのシャポバロフ戦で見せたプレーは、ラファにしかできないものだ」「僕の意見を言わせてもらうなら、彼はスーパーヒーロー。他の誰にもできないことをやってのける。偉大な人間で、並外れたテニス選手だ」

 優勝が決まった後には、ナダルがバウティスタ・アグトを抱きあげる場面もあった。バウティスタ・アグトは父親が死去したため大会期間中にいったんチームを離れ、それから再び戻って来ていた。

 バウティスタ・アグトは「とても難しかった。21日の午前中に実家へ戻ることを決め、きのう(23日)の午後にまたこちらへ来てチームをサポートした」「選手もスタッフも、チームのみんなが大会初日から信じられないほど頑張っていたから、きょうは僕に出番がまわってきた。コートの雰囲気は素晴らしかった」とコメントした。(c)AFP/Tom ALLNUTT