【11月22日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)は21日、試合中の暴力行為で無期限の出場停止処分を受けたクリーブランド・ブラウンズ(Cleveland Browns)のDEマイルズ・ギャレット(Myles Garrett)の上訴を退けた。調査では、暴行を受けたピッツバーグ・スティーラーズ(Pittsburgh Steelers)のQBメイソン・ルドルフ(Mason Rudolph)が、ギャレットに対し人種差別発言を行った証拠は見つからなかったという。

 14日の試合終了間際にルドルフからはぎ取ったヘルメットで同選手を殴打したギャレットは、翌15日に最低でも残りのレギュラーシーズンとプレーオフに出場できないと発表された。試合はブラウンズが21-7で勝利している。

 23歳に対する出場停止は、フィールド上の一つの出来事ではNFL史上最長の処分となった。ギャレットは出場停止期間の軽減を求めて20日にニューヨークで行われたヒアリングに出席。しかしNFL側は、上訴担当官のジェームス・スラッシュ(James Thrash)氏が「マイルズ・ギャレットに対する処分を全面的に支持した」とし、上訴を棄却した。

 NFLの広報は、暴行事件が起きる前にルドルフがギャレットに人種差別的な発言を吐いた証拠は発見できなかったとしている。スティーラーズとルドルフの弁護士は21日、怒りを込めてギャレットを厳しく批判。同選手の言い逃れは「恥ずべきだ」とした。

 スティーラーズは、「メイソンは木曜日(14日)の夜の出来事で人種差別的な言葉を使用したことを強く否定している」と発表。また、ルドルフの弁護士は、人種差別があったとするギャレットの主張は「処分を軽くするための悪あがき」と断じ、同選手が上訴する前になぜそのことを持ち出さなかったのか疑問を投げかけた。

 なお、NFLはスティーラーズのCモーキス・パウンシー(Maurkice Pouncey)への出場停止処分を3試合から2試合に減じたと明かした。ルドルフを守るために乱闘に加わったパウンシーは、24日のシンシナティ・ベンガルズ(Cincinnati Bengals)と翌13週に組まれているブラウンズとの試合に出場できない。

 また、乱闘でルドルフに襲い掛かり後ろから押し倒したブラウンズのDEラリー・オガンジョビ(Larry Ogunjobi)の出場停止は1試合と変わらなかった。(c)AFP