【11月21日 AFP】米ツイッター(Twitter)は20日、前日行われた英与野党の初のテレビ党首討論で与党・保守党が生放送の間、公式アカウントの名称を「ファクトチェックUK(factcheckUK)」に変更していたのは一般ユーザーを「ミスリード」する行いであり、政治に対する信頼性をさらに損ねる恐れがあると非難した。

 ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相と最大野党・労働党のジェレミー・コービン(Jeremy Corbyn)党首は19日夜、来月の総選挙に向けて初のテレビ討論に臨んだ。その間、保守党は広報用のツイッターアカウントの名称を、あたかも情報の正確性を検証する団体を装うかのように「ファクトチェックUK」に変更。労働党から抗議を招いていた。

 問題の保守党アカウントは、ゴールデンタイムに放映されたテレビ討論の間、リアルタイムで「反論」を展開。保守党は、労働党の「馬鹿げた」主張を訂正するために必要な対応だったと主張している。

 しかし、ツイッターの広報担当者は、利用規約で「人々の判断を誤らせかねない行為を禁止」しており、「認証済みアカウント」も例外ではないと警告。「英選挙討論中に起きたような、認証済みのプロフィール情報を編集して人々をミスリードする試みがまたあれば、断固とした是正措置を取る」と言明した。

 総選挙を12月12日に控え、英国でもソーシャルメディアが支持拡大へ向けた主戦場の一つとなっているが、うわさや誤情報、いわゆるフェイク(偽)ニュースなども飛び交っている。特に英国では、欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット、Brexit)をめぐって人々を惑わす主張や公約違反、ストレスばかりが溜まる議論が何年も続いたことから、大きな懸念を呼んでいる。

 英国国教会のトップ、ジャスティン・ウェルビー(Justin Welby)カンタベリー大主教(Archbishop of Canterbury)は20日、「われわれは皆、責任を持って正確なことを話し、うそを耳にしたならば異議を唱え、事実と意見は気を付けて区別しなければならない」と警鐘を鳴らした。(c)AFP/Alice RITCHIE