【11月20日 AFP】ロシア当局はこのほど、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の構成員を母親に持つ、1歳から3歳までの子ども32人がイラクからロシアに到着したと発表した。ロシア保健省によると、子どもたちは18日遅くにモスクワの空港に到着し、健康状態を調べるためそのまま病院へ向かったという。

 ロシア外務省によると、子どもたちの母親はISに加わった罪で有罪判決を受けたか裁判を行っている最中で、子どもたちはイラクの施設で保護されていた。

 ロシア当局は、今年7月以来となる子どもたちの到着により、昨年12月以降イラクからロシアに到着した1歳から15歳までの子どもは計122人になったと明らかにした。

 IS構成員の中で、ロシア人は最多を占める。「帰還者」の大半は女性と子どもで、イスラム教徒が多数を占めるカフカス(Caucasus)地方、とりわけロシア・チェチェン(Chechnya)共和国出身者が多い。

 英国やフランスがIS戦闘員の国籍を相次いで剥奪する中、ロシア当局、とりわけチェチェン共和国の指導者ラムザン・カディロフ(Ramzan Kadyrov)首長は帰国を奨励している。

 しかし、ロシア連邦保安局(FSB)のアレクサンドル・ボルトニコフ(Alexander Bortnikov)長官は今月、イラクやシリアで戦闘に参加したIS戦闘員の妻や子ども約2000人の帰国にはリスクを伴うと警鐘を鳴らしている。

 映像はロシア非常事態省が撮影・提供。(c)AFP