【11月20日 AFP】イランでガソリン価格の値上げをきっかけに起こっている抗議デモで、指導部が治安部隊に鎮圧を命じて以降、各地でデモ参加者100人余りが死亡したとみられている。国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)が19日、明らかにした。国連(UN)は同日、イランでデモ参加者数十人が死亡したとの報道を受け、懸念を表明した。

 英国の首都ロンドンを拠点とするアムネスティは「確かな筋の報告によれば、(イラン国内)21都市で、デモ参加者少なくとも106人が死亡した」と発表。「最大200人が殺害されたとする報告も複数あり、実際の死者数はさらに多い可能性がある」と述べた。

 15日に始まりその後、国内100か所余りの都市に拡大した抗議デモについて、アムネスティは治安部隊がデモ参加者の「鎮圧の許可」を受けていたと指摘した。

 アムネスティで中東・北アフリカ担当代表を務めるフィリップ・ルーサー(Philip Luther)氏は、「イラン当局は、残忍かつ死者を伴う弾圧を直ちにやめるべきだ」と述べた。アムネスティは今回の発表について「事実確認が行われた映像や現場の人々の目撃証言」、イラン国外の人権活動家の「情報」に基づくものと説明している。

 イランの抗議デモについて、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は19日、デモ参加者らに実弾が使用され、「国内各地で多数の死者」が出ているとの報道を受け、懸念を表明した。

 一方イランは19日、デモ発生後に開始されたインターネット規制について、事態が鎮静化しなければ規制の解除はないと述べた。

 映像はデモの様子。前半は国営イラン放送(IRIB)提供。後半はイラン国営テレビIRINN提供。(c)AFP