【11月18日 AFP】17日に行われた19F1第20戦ブラジルGP(Brazilian Grand Prix 2019)決勝で、チームメート同士で衝突して二人ともリタイアに終わったフェラーリ(Ferrari)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)とシャルル・ルクレール(Charles Leclerc)に対して、チーム代表が怒りを見せている。

 アクシデントの相次いだ決勝で、二人は1回目のセーフティーカーが導入された後、レースが再開された中で4位争いを繰り広げていたが、S字カーブで抜かれたベッテルが反撃し、ルクレールの頭を抑えようと幅寄せをしたところで両者のタイヤが接触。ルクレールは右フロントのサスペンションの損傷、ベッテルは左のリアタイヤのパンクというダメージを負い、ともにリタイアを強いられた。

 二人は無線で口論し、クラッシュの責任を押し付け合っていたが、またしても屈辱的な結果に終わったことに、マッティア・ビノット(Mattia Binotto)代表は「少なくとも数パーセントずつの責任」が両方にあると話した。

「フェラーリのレースに傷をつけた」と話すビノット代表は、「二人には、チームに対して申し訳ないと思ってほしい」「バトルをするのは自由だが、チーム全体のためにも、くだらないミスは避けるべきだという点は自覚しているはずだ」とコメントしている。

「きょうのはほんのわずかな接触だったと言わざるをえないが、分析をし、映像を見返す必要がある。しかし、熱くなっているうちはやめるべきだろう」「二人とはすでに話をした。今すぐに判断することは避けたいし、二人にも今はそうしてほしくない。いずれみんなで確認することになるだろう」

 ベッテルは「右側にあまりスペースがなくて、ターン3の立ち上がりは明らかに僕の方が良かったから抜きにいった」「そういうことだ。もちろん、チームにとっては残念だ」と話した。

 ルクレールは、ベッテルが「少しイン側に寄せてきて、距離がかなり近くなった。すべてはあっという間の出来事で、彼がインに来たと思ったらもう接触していた」と明かす一方で、「二人とももう大人だから水に流せるはずだ」とも話している。

 この件に関して、大会スチュワードは両選手とチームの代表者から話を聞いた上で、二人にペナルティーを科すことはしなかった。大会側は「どちらのドライバーにも接触を避ける、もしくは影響を和らげる機会があり、いずれか一方に大きな責任がある出来事ではないと判断した」と話している。(c)AFP