【11月16日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、クリーブランド・ブラウンズ(Cleveland Browns)のDEマイルズ・ギャレット(Myles Garrett)が15日、試合中に相手選手のヘルメットを振り回して殴打するなどの暴力行為に及び、同国最大の人気スポーツに衝撃をもたらした問題で、無期限の出場停止処分を受けた。

 ブラウンズが21-7で勝利した14日のピッツバーグ・スティーラーズ(Pittsburgh Steelers)戦で、ギャレットは試合終了間際に相手QBメイソン・ルドルフ(Mason Rudolph)のヘルメットをはぎ取って同選手を殴打し、チームメート、解説者、ファンを仰天させた。この行為が発端となり、試合は両チームの選手が互いに殴る蹴るの大乱闘となった。

 これを受けてNFLは迅速に対応し、ギャレットに対してフィールド上の一つの出来事ではNFL史上最長の出場停止処分を言い渡した。23歳の同選手は残りのレギュラーシーズンとプレーオフに出場できなくなり、ロジャー・グッデル(Roger Goodell)コミッショナーと面会した上で、資格回復の道を探ることになる。

 この騒動では、スティーラーズのOLモーキス・パウンシー(Maurkice Pouncey)も3試合の出場停止処分となった一方で、ブラウンズのDLラリー・オガンジョビ(Larry Ogunjobi)が一試合の欠場を余儀なくされることになった。

 さらに、スティーラーズとブラウンズの両チームには罰金25万ドル(約2700万円)が科され、処分を受けた3選手も罰金(金額非公開)を支払うことになった。

 ギャレットはブラウンズが発表したコメント文で、「昨夜、自分はとんでもない間違いを犯した」「冷静さを失ってしまった。自分のしたことは利己的で容認できないものだった」「メイソン・ルドルフをはじめ、チームメート、チーム関係者全員、ファン、そしてNFLに謝罪したい。起きてしまったことの責任を負い、自分のミスから学ぶ必要があることを自覚しており、心からそうするつもりだ」と語った。

 NFLのコメント文では、ギャレットの規則違反はアンネセサリーラフネス(不必要な乱暴行為)、アンスポーツマンライクコンダクト(スポーツマンらしからぬ行為)だけにとどまらず、取っ組み合いをしたことや、相手選手のヘルメットをはぎ取り、それを武器として使用したことも指摘されていた。

 今回の騒動では、パウンシーが相手選手を殴ったり蹴ったりするなどの取っ組み合いをして処分を受けた。一方、オガンジョビは相手選手を地面に押し倒し、アンネセサリーラフネスを犯したとして処分が下された。

 また、ベンチを出て乱闘に加わり、ルドルフへの攻撃につながる行為に及んだ可能性のある選手らに対しても、追加の処分が下される見通しとなっている。(c)AFP