【11月16日 AFP】カンボジア有数の観光地、アンコール遺跡(Angkor)公園でのゾウ乗り体験が来年初めまでに禁止されることが決まった。公園関係者が15日に明らかにした。観光アトラクションとして人気があるゾウ乗りを虐待だと批判してきた自然保護活動家らにとっては得難い勝利となった。

 カンボジアの昨年の外国人観光客数は600万人以上に上るが、外国人客の大半は北部シエムレアプ(Siem Reap)州のアンコール遺跡群に足を運び、多くが古代遺跡の周りでゾウ乗り体験を選択する。だが、同公園を管理するアンコール地域遺跡整備機構(アプサラ機構、Apsara Authority)の広報担当者は、ゾウ乗りを「2020年頭までに終了する」と話した。

 これまでに、同遺跡周辺で働かされていたゾウ14頭のうち5頭はすでに遺跡群から約40キロ離れた場所にある里山に移されている。同担当者によれば、ゾウはこの山で「天寿を全うするまで暮らすことになる」。ゾウを所有していた事業者が面倒を見るという。

 カンボジア各地で行われているゾウ乗り体験は、以前から動物愛護団体の批判の対象となってきた。同様の体験は近隣国のタイ、ベトナム、ラオスなどでも行われている。

 2016年には、酷暑の中でアンコールワット遺跡(Angkor Wat)の周りを観光客を乗せて歩いた雌のゾウが路上で息絶える事例があった。(c)AFP