【11月14日 AFP】過去50年で最高水位の高潮に見舞われたイタリアの古都ベネチア(Venice)で13日、市内の大半が冠水し、ゴンドラは岸に乗り上げ、ホテルも浸水。水位が急激に上昇する中、観光客らは避難を余儀なくされた。

 当局が気候変動が原因と主張する一方、カナル・グランデ(Grand Canal、大運河)沿いの商店主らは、被害を食い止められた可能性もある防潮堤の建設計画が、汚職によって繰り返し遅れたと怒りの声を上げた。

 国営イタリア放送協会(RAI)のインタビューに応じたルイジ・ブルニャーロ(Luigi Brugnaro)市長は、ベネチアが「打ちひしがれている」と語った。

 ブルニャーロ市長は浸水被害を受けた観光名所のサンマルコ広場(St Mark's Square)で、「広範囲にわたって大きな被害が出ている」「昨夜からの損害額が数億ユーロ(数百億円)に達するのはほぼ確実とみられる」と述べた。

 自宅が浸水した際に感電し、78歳の高齢者が死亡した。

 ブルニャーロ市長はツイッター(Twitter)に、「政府の支援を求める。費用は高額になる」「これらは気候変動の影響だ」と投稿した。

 セルジョ・コスタ(Sergio Costa)環境・国土保全・海洋相は、浸水被害の原因は気候変動に加え、豪雨と強風を伴った「熱帯化」にあると指摘した。

 コスタ氏はフェイスブック(Facebook)への投稿で、「こうした事態の発生頻度が地中海でますます高まっている」との見解を示した。(c)AFP/Ella IDE