【11月11日 AFP】警察と抗議デモ参加者らとの衝突が街中に拡大する香港で、民主派デモ隊と激しい口論になった男性が体に火を付けられたと、警察が11日、発表した。事件の様子を捉えた動画が、ソーシャルメディア上で広く共有されている。

 関連する動画は3つ投稿されている。いずれの動画でも、緑色のTシャツを着た男性が、歩道橋の上で人々と口論している。その後、黒い服を着た覆面の人物が緑のTシャツの男性に液体をかけて火を付け、周囲の人々が逃げる中、被害者が必死にTシャツを脱ごうとしている様子が映っている。

 警察によると、現場は香港中心部の商業地区から約20キロ離れた馬鞍山(Ma On Shan)の北部。

 警察は記者会見で、この動画をスクリーンに映しつつ「暴徒らが引火性液体を男性にかけ、火を付けるという非常に衝撃的な事件が起きた」と説明。被害男性は「重体で、病院に搬送された」としている。

 この口論が起きる少し前、民主派デモ隊が近くの馬鞍山駅を荒らしていたとされ、捜査員らは被害者男性が「暴徒らを追いかけた」とみているという。「男性はその後、殴打された上、火を付けられた」とされる。

 医療当局も、やけどを負った男性1人が馬鞍山に近いプリンス・オブ・ウェールズ病院(Prince of Wales Hospital)に搬送されたと認めている。

 同日には、警察が覆面の抗議デモ参加者を銃で撃つ瞬間がフェイスブック(Facebook)上で生配信されるという事件があったばかり。5か月前に始まった民主派デモの騒乱の中でも、最も激しい暴力行為が重なった。(c)AFP