【11月6日 AFP】米配車サービス大手ウーバー(Uber)の自動運転車が昨年、アリゾナ州で女性(49)をひき死亡させた事故で、米運輸規制当局は5日、交通規則を無視して道路を横断していた女性を、自動運転車のソフトウエアが認識できなかったことを明らかにした。

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 米運輸安全委員会(NTSB)の発表によると、フェニックス(Phoenix)郊外のテンピ(Tempe)で起きた事故で死亡した女性は「横断歩道がない場所を渡っていた」が、自動運転車のシステム設計は交通規則を無視する歩行者を考慮していなかったという。

 NTSBの一次報告書では、自動運転車に搭載されたシステムが事故発生のおよそ6秒前に、夜間に自転車を押しながら道路を横切っていた女性を感知していたと判断していた。

 しかし、正式な事故原因を決定するために今月19日に開かれる公判を前に公開された最新報告書では、システムが「女性を歩行者として分類」せず、物体として認識したことが指摘されている。

 システムは事故のおよそ1.2秒前に衝突が迫っていることを認識し、自動運転車の危険な動きを減少させるために「極端なブレーキやハンドル操作を抑制した」という。

 報告によると、このアリゾナ州での事故以外に、ウーバーのテスト用車両が自動運転モード中に発生した事故は、2016年9月から18年3月にかけて37件となっている。(c)AFP