【11月6日 AFP】ラグビーW杯(Rugby World Cup 2019)で史上初の8強入りを果たした日本代表で、ジェイミー・ジョセフ(Jamie Joseph)ヘッドコーチ(HC)の参謀を務めたトニー・ブラウン(Tony Brown)コーチが、ニュージーランドの次期指揮官の有力候補といわれる2人からのコーチ就任の打診に断りを入れたことが分かった。

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 ブラウンコーチは、ニュージーランド代表へ行くのはジョセフHCがオールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表の愛称)の指揮官に就任した場合だけだと話している。日本を歴史的なW杯8強に導いたジョセフHCは、オールブラックスの指揮官に名乗りを上げるかどうかをまだ正式に表明しておらず、ブラウンコーチは「その時が来れば」二人で代表を指導したいと話している。

 オールブラックスでは、スティーブ・ハンセン(Steve Hansen)HCが3位で終えたW杯限りで退任し、後任についてさまざまな臆測が飛び交っている。ニュージーランドラグビー協会(NZR)は6日、クリスマス前の決着を目指して後任探しに正式に着手。ブラント・インペイ(Brent Impey)会長が「ニュージーランドのプロラグビーの環境に精通した少数の指導者」に立候補を歓迎する旨を伝えたことを明かした。

 その中でブラウンコーチは国内のテレビ番組に出演し、現在オールブラックスでアシスタントを務めるイアン・フォスター(Ian Foster)氏、そしてクルセイダーズ(Crusaders)でスーパーラグビー(Super Rugby)3連覇を達成したスコット・ロバートソン(Scott Robertson)HCからのコーチ就任の打診を断ったことを明かした。

「これからもジェイミーと一緒にやっていくことに決めた。もし彼が立候補するなら僕も一緒だし、日本に残るなら一緒に残る」

 元オールブラックスSOのブラウンコーチは、以前からジョセフHCと固い絆で結ばれていて、2015年には弱小チームだったオタゴ・ハイランダーズ(Otago Highlanders)を二人でスーパーラグビー優勝に導き、さらにはW杯開催国の日本を世界のトップ10に引き上げた。

「ジェイミーとは8年一緒にやってきたし、彼のそばにとどまるのが正しいと感じている」「大きな決断だった。あしたにでもオールブラックスを指導したい気持ちがあるのは100パーセント間違いない。だけど、自分に決定権があるわけじゃない三つのチームの間をふらふらするのは良くないと思う」

「ジェイミーは素晴らしいチームを築いているし、みんなで頑張ってチームをさらに良くしようとしている。そこがジェイミーの良いところだ。誰もがチーム改善のために努力している」

「二人ともオールブラックスを指揮したいと思っているよ。だけどどちらも、その時が来たらそうしたいと思っている。それが今ならうれしいけど、そうじゃないかもしれない。もしかしたら4年後かもしれない」 (c)AFP