【11月9日 AFP】香港民主活動家らの個人情報が、「鉄壁」ともいえるほど匿名性の高いウェブサイトでさらされている。ロシアのサーバーを使っているこのサイトは中国共産党関連団体の後押しを受けており、掲載を止める手だてはほぼないという。

 著名活動家、ジャーナリスト、議員ら抗議活動を支援している約200人が、8月に開設されたサイト「香港リークス(香港解密、HKLeaks)」で、ドキシング(ネットで他人の個人情報を不正に入手しさらすこと)の被害に遭っている。

 民主派の香港中国語日刊紙「蘋果日報(Apple Daily)」の女性記者はAFPに、「脅迫電話が何百本もかかってきた」と話す。「私をビッチや売春婦と呼び、用心しろとか殺すぞとか言われた」。この女性はサイトを閉鎖できないと分かったため、流出した電話番号を一時使用停止にした。

 蘋果日報はさらなるドキシング被害を防ぐため裁判所に申し立て、削除命令を出してもらったが、この記者の個人情報は今も香港リークスに残っている。

 香港では、電話番号などの特定の個人情報を本人の同意なしに公開するのは違法だ。

 香港個人資料私隠専委公署(PCPD)のスティーブン・ウォン(Stephen Wong)氏は9月17日、すべての投稿を削除するよう香港リークスに命じた。

 だが、香港リークスは今もネット上に存在している。トップページには中国語で「彼らが何者か、なぜ香港をめちゃくちゃにするのか知りたい!」と書かれており、黒い服を着たデモ隊の写真が掲載されていた。サイト内には数百人分の氏名や住所、電話番号といった個人情報とそれぞれの「悪行」の詳細も掲出されている。

 ソーシャルメディアの監視プラットフォーム「クラウドタングル(CrowdTangle)」のデータによると、香港リークスの投稿をシェアしているフェイスブック(Facebook)のページには、200万人以上のフォロワーがいる。