【11月4日 東方新報】中国大手航空機メーカーの中国航空工業集団(Aviation Industry Corporation of China)など航空機関連企業・教育機関6社は先月、空中シルクロード連盟を正式に発足させた。空中シルクロード連盟は、昨年秋の「国際航空協力サミット2018年」の席上で、中国航空工業集団が系列教育機関や企業とともに設立を提唱され、準備が進められてきた。空の「一帯一路(Belt and Road)」航空協力組織で、「一帯一路」沿線国の航空インフラ、航空機製造、航空サービスの協力を通じて相互発展を目指す。

 先月16日、空中シルクロード連盟事務局が章程や日常業務システムの準備状況などを報告し、中国航空工業集団、中国航空発動機集団(Aero Engine Corporation of China)、中国商用飛機(COMAC)、南京航空航天大学(Nanjing University of Aeronautics and Astronautics)、民航投資(Civil Aviation Investment Fund Management)、華和国際商務コンサルタント機構(Huahe International)の6社が連盟章程に署名して、連盟の正式成立を宣言した。メンバー企業・機関は48企業という。

 連盟は、航空関連事業や社会団体が自発的に形成した非営利組織。空中シルクロード構想の発展のための新たなプラットフォームとして機能させていくという。習近平(Xi Jinping)政権が掲げるシルクロード沿線国による経済・インフラ一体化構想「一帯一路」戦略は陸のシルクロードと海のシルクロードが広く知られているが、昨年から空中シルクロードが強く意識されている。

 たとえば陸のシルクロードの起点の一つでもある中国西部では、銀川河東国際空港(Yinchuan Hedong International Airport)がドバイ、ソウル、バンコクなどの一帯一路沿線国の国際空港と直行便を結び、空の「一帯一路」沿線国の航空ハブとしての機能に重点を置いている。2018年で利用客は800万人を超え、今年は1000万人の利用客をめざす。

 西安咸陽国際空港(Xi'an Xianyang International Airport)もシルクロードの入り口として国際航空ハブ機能を建設中で、ヘルシンキ、パリ、モスクワ、シドニー、メルボルンとの旅客便、ソウル、アムステルダム、シカゴなどとの貨物便を含む世界32か国、60都市と直行便を結ぶ。うち16か国33都市が一帯一路沿線国だ。中国西北部と中東欧、アフリカ、南アジア地域の国際直行便の実現は、中国―東欧戦略ともリンクしている。

 古代海のシルクロードの起点のひとつ、福建省(Fujian)の泉州(Quanzhou)にある泉州晋江国際空港(Quanzhou Jinjiang International Airport)では、今秋からフィリピンのクラーク経済特区、セブと直行便で結ばれた。もともとあるマニラ、ダバオとの直行便に加え、中国国内でもっともフィリピンとの直行便が多い空港となった。さらに今年、ミャンマー・マンダレー、シンガポール・クアラルンプール、カンボジア・シアヌークビルなど前後して東南アジアの主要空港との直行便を増やしており、海のシルクロードと空のシルクロードを結んでいる。

 中国航空発動機の副社長陳少洋(Chen Shaoyang)氏は空中シルクロード連盟設立に際し、「一帯一路沿線国・地域に役立つだけでなく、わが国の海外企業にも相応のサービスを提供できる。活動し、意見を述べ、交流することで連盟の仕事を全力で支え、連盟の利益をまもり発展を促進していく」と祝辞を述べた。一帯一路はすでに、陸海空の立体的な交通インフラ網で世界を結ぶ多帯多路へと進化しつつある。(c)東方新報/AFPBB News