【11月3日 Xinhua News】中国四川省(Sichuan)カンゼ・チベット族自治州徳格県(Dege)にある徳格印経院(とくかくいんきょういん)は、チベット語で「デルゲ・バルカン(徳格巴宮)」という。18世紀初めに創建され、中国に現存する「印版」(版木)が最も多く、規模が最も大きいチベット語印経院(経典や文献を刻版で印刷する工房)。豊富なチベット仏教の経典、医学、歴史、伝記などの文献印刷物および絵画印刷物、壁画などの文化財が保管されており、「チベット文化の大百科事典」「チベット族居住地域のきらめく文化の真珠」「雪山の麓にある宝庫」と呼ばれている。

 徳格印経院は経典の木版印刷と宗教活動を一体化させた多機能建物で、中庭を中心とした造りになっている。狭く長い中庭を取り囲んで東西南北の4部分に分かれ、チベット仏教寺院の装飾手法とスタイルが採用されている。

 同印経院には現在、印版32万点、47万ページ、約3億字の文献が保管されているほか、手刷り木版印刷の伝統も受け継がれている。その内容は仏教経典、天文暦法、詩歌韻律、言語文字、歴史伝記、医学など幅広い。(c)Xinhua News/AFPBB News