【11月1日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」は10月31日、最高指導者アブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)容疑者が死亡したことを認め、後継者としてアブイブラヒム・ハシミ・クラシ(Abu Ibrahim al-Hashimi al-Quraishi)氏を指名したと発表した。

 ISの新たな報道担当者とされるアブハムザ・クラシ(Abu Hamza al-Quraishi)氏は音声声明で、「われわれはあなたを悼む……信徒たちの長よ」と述べた。ISはまた、翌日に行われた別の急襲作戦で前報道担当者のアブハッサン・ムハージル(Abu Hassan al Muhajir)容疑者が殺害されたことも認めた。

 2014年からISを率いていたバグダディ容疑者は27日、シリア北西部イドリブ(Idlib)県で米軍特殊部隊が実施した急襲作戦により死亡した。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領はホワイトハウス(White House)で行ったテレビ演説で、バグダディ容疑者の死を発表。「彼は行き止まりのトンネルに逃げ込んだ末に死亡した。最後までめそめそと泣き、叫んでいた」と説明し、バグダディ容疑者が「犬のように死んだ」と述べていた。

 新報道担当者はトランプ大統領を「いかれた老人」と呼び、米国に対し、ISの支持者らはバグダディ容疑者の死に復讐(ふくしゅう)するだろうと警告した。

 新指導者のハシミ氏にはバグダディ容疑者の後継候補として名前が挙がったことがほとんどなく、その来歴ははっきりしていない。ISに詳しいイラク人専門家のヒシャム・ハシェミ(Hisham al-Hashemi)氏は「彼については、ISの首席判事であり、シャリア(イスラム法)委員会を率いていること以外、あまり分かっていない」と述べている。(c)AFP