【11月1日 CNS】中国・チベット自治区(Tibet Autonomous Region)ラサ市(Lhasa)の「チベット高原生物研究所」と同自治区林芝市(Linzhi)の「林業・草原局」が、区内墨脱県(メトク、Medog)の県境内をフィールドワーク中、初めてスソビキアゲハに属す昆虫の分布を発見した。この発見で、チベットのチョウの大家族にまた新しいメンバーが加わった。

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 スソビキアゲハが属すチョウ類は、中国国内で現在知られているアゲハチョウ科の中では最小の大きさのアゲハチョウ科、アゲハチョウ亜科のチョウである。スソビキアゲハは昆虫に属し、ハスノハギリ科テングノハナ属の植物を宿主植物としている。

 同研究所昆虫研究室の達娃(Da Wa)主任の紹介によると、中国国内に分布しているスソビキアゲハ、アオスソビキアゲハとシロスソビキアゲハは、どちらも昆虫に属し、広西(Guangxi)、雲南(Yunnan)、海南(Hainan)、広東(Guangdong)南部、香港などの熱帯地域に分布する。

 達娃さんの説明では、スソビキアゲハの成虫は、はねを広げた長さが40~45ミリメートル、触覚、はね、背面はすべて黒色、腹面は白色、頭部は幅広で腹部が短く、他のチョウとは異なる形状で、はねの後部が狭くて長く、尾が非常に長いところは、アゲハチョウ科の中で唯一無二の特徴である。

 スソビキアゲハが属すチョウ類は、生態系の中で大変重要な意義を持っているとされる。このチョウの群れの個体数と分布状況は、その地の生態系が整っているか、健康であるか否かを判断する重要な指標となる。

 スソビキアゲハは北回帰線付近にだけ分布しているので、このチョウ類の分布状況の変化を観察することで、気候と環境の長期的変化のすう勢を判断することができると達娃さんは語った。

 スソビキアゲハが属すチョウ類はその生態系の中で、捕食性昆虫、鳥類の主要な捕食対象であり、生態系を維持するための生物多様性のうちの「種の多様性」の主要生物種だという。(c)CNS/JCM/AFPBB News