【10月29日 AFP】クリーンな電力を追い求めるフィンランドの電力会社はグリーンな(環境に優しい)発電を実現するために「茶色のもの」に注目している──「動物のふん」だ。

 ヘルシンキで今月開催された国際馬術連盟(FEI)のW杯障害飛越競技予選を含む国際馬術大会では、発電を目的に約100トンの馬ふんが集められた。馬ふんは、2台の大型コンテナに積み込まれた後、焼却処理するために発電所へと運ばれた。

 フィンランドの電力大手フォータム(Fortum)によると、この馬ふんで発電された150メガワット時の電力で、4日にわたって開催された今年の馬術大会のすべての電力を十分賄うことが可能だったという。また余剰電力の一部はヘルシンキの家庭用暖房に利用された。フォータムは5年前、馬ふんによる発電計画「ホースパワー(Horse Power)」を立ち上げている。

 フォータムは、AFPの取材に「フィンランドには数多くの馬がいるし、世界中にはさらに多く存在するのは言うまでもない。その馬ふんのすべてをエネルギーに変換できるならば、それは素晴らしいことだろう」と語った。

 フォータムによると、馬2頭が毎日排せつするふんで、一戸建て住宅の暖房1年分の電力を供給できるという。また、携帯電話1台を充電するには、少量の馬ふんで十分のようだ。(c)AFP/Sam KINGSLEY