【10月29日 AFP】クルド人主体の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」は28日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の最高指導者アブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)容疑者が死亡した27日の米軍による急襲作戦に先駆け、SDFの潜入工作員がDNAによる身元特定のためにバグダディ容疑者の下着を入手していたと明らかにした。

 SDFの上級顧問、ポラート・ジャン(Polat Can)氏がツイッター(Twitter)への連続投稿で、米軍の急襲作戦にまつわる情報活動の詳細を明らかにした。これによると今年5月15日以降、SDFは米中央情報局(CIA)との協力の下、バグダディ容疑者を追跡し、綿密に監視していた。その間、バグダディ容疑者は頻繁に潜伏先を変えたという。

 この過程でSDFの工作員が、バグダディ容疑者が隠れているとみられた家屋への潜入に成功。DNAによる身元確認を行うためにバグダディ容疑者の下着を持ち出した。これにより、当該人物が100%間違いなくバグダディ容疑者本人であることが確認できたという。

 ジャン氏は、シリア北西部イドリブ(Idlib)県での米軍の急襲作戦は、10月9日以降のトルコ軍によるクルド人勢力への攻撃の影響で遅れたものの、SDFの情報収集の結果によるところが大きいと主張。「座標の送信、空中投下の指示、そして作戦への参加など、われわれの情報源は作戦を成功させるために最後の瞬間まで関与していた」と強調した。(c)AFP