【10月29日 Xinhua News】中国陝西省(Shaanxi)西安市(Xi'an)にある秦始皇帝陵の「兵馬俑(へいばよう)坑」で保存状態の良い数千点の青銅製武器が出土して以降、考古学界では同時の職人が既にクロムめっきの技術を持っており、武器に防腐処理を施していたとの伝説が広まった。しかし、英ケンブリッジ大学(Cambridge University)のマルコス・マルティノン・トーレス教授のチームと秦始皇帝兵馬俑博物館による研究は、伝説が間違いであることを証明した。

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 兵馬俑の武器が腐食せずに保存されてきたのは、土壌が天然の防腐剤としての役割を果たしてきたことに関係する。適度なアルカリ性と少量の有機物質、さらに細かい粒子構造などの要素が金属の腐食を最大限防いでいた。兵馬俑の武器が現代に至るまで地中でほぼ完全に残されていたのは、まさに土のおかげだという。

 マルコス教授のこの発見は、腐食防止に新たな思考を提示し今後の文化財保護に一つの方向性を示したことにより、中国版「イグノーベル賞」と呼ばれる「パイナップル科学賞」で今年の化学賞を受賞した。(c)Xinhua News/AFPBB News