【10月28日 Xinhua News】中国江蘇省(Jiangsu)南京市(Nanjing)にある中国科学院紫金山天文台の研究者がこのほど、太陽系から最も近い恒星であるプロキシマ・ケンタウリ(Proxima Centauri)と周囲の惑星の動力学と軌道の特徴を明らかにした。この研究は、惑星の居住可能性や惑星系の形成・進化を人類が深く知る上で重要な意味を持つ。

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 プロキシマ・ケンタウリは、ケンタウルス座にある赤色矮星(わいせい)で、地球から約4.22光年の距離にあり、現在発見されている恒星の中で太陽系に最も近い。太陽のような単独の恒星とは異なり、近くのケンタウルス座αA星、αB星と共に三重連星を形成する。

 天文学者は以前、プロキシマ・ケンタウリの周りに質量が地球の1.3倍で公転周期が11.2日の惑星プロキシマbを発見し、さらに軌道周期が200日以上の惑星プロキシマcが存在すると推定した。これらの惑星は居住適性区域内にあると考えられ、世界の天文学界の高い関心を集めている。

 研究チームは今回、データシミュレーションと理論分析を利用し、プロキシマ・ケンタウリの周囲に存在する二つの惑星について研究を実施。その結果、プロキシマbの公転軌道長半径が0.02~0.1天文単位(1天文単位は太陽から地球までの距離で約1億5000万キロ)で、軌道離心率の上限はプロキシマbが0.4、プロキシマcが0.65であることを明らかにした。二つの惑星の公転面が一致しない場合、軌道離角は50度以下となる。

 研究成果はこのほど、英王立天文学会誌「Monthly Notices of the Royal Astronomical Society」に掲載された。(c)Xinhua News/AFPBB News