【10月27日 Xinhua News】中国科学院(中科院)水生生物研究所と国家投資開発公司微細藻類科学技術センター、曁南大学(Jinan University)の科学研究員合同チームはこのほど、世界に先駆けて超高密度の微細藻類の従属栄養培養に成功し、微細藻類の大規模な工業化利用に向けた主要なボトルネックを解消した。

 微細藻類は単細胞生物で、エネルギー、食品、飼料の生産原料のほか、工業分野での利用にも大きな可能性を秘めている。従属栄養培養は、微細藻類バイオマスの新しい生産方法で、従来の光合成独立栄養培養と比べ、効率と可制御性が高く、工業化生産しやすいというメリットがある。

 合同チームの科学研究員は、従属栄養培養可能な油脂類含有量の多いイカダモを研究対象とし、過程の最適化、特に正確なブドウ糖濃度制御というコア技術のブレークスルーを通じ、油脂類含有量の多いイカダモの超高密度培養に成功。イカダモの最高細胞乾燥重量は実験室で1リットル当たり286グラム、発酵パイロットプラントのスケールアップ条件下で同283.5グラムに達し、世界でこれまでに報告されている微細藻類の培養生物量濃度としては最高レベルを記録したほか、すでに知られている細菌や酵母など工業用微生物のバイオマス最高濃度レベルを大きく上回った。

 合同チームは研究で、従属栄養培養した藻類細胞を種とした場合の、屋外のパイロットスケールのフォトバイオリアクターによる油脂生産パフォーマンスが、光合成独立栄養培養による藻類細胞より明らかに優れていることを発見。その後の技術経済分析により、従属栄養培養条件下の細胞乾燥重量が1リットル当たり200グラム以上の高濃度レベルに達する場合、微細藻類バイオマスの生産コストは従来のオープンポンド型培養槽とほぼ同じとなり、チューブラー型フォトバイオリアクター培養システムのわずか5分の1で済むことが明らかになった。

 中科院水生生物研究所微細藻類技術バイオエネルギーセンター研究助手の金虎(Jin Hu)氏は、「これは、微細藻類の超高密度従属栄養培養技術の商業化に非常に大きな可能性があることを示している」と述べている。

 この研究の関連成果は10月中旬、バイオエンジニアリング分野で国際的に権威のある「バイオテクノロジー&バイオエンジニアリング」の電子版に、金虎氏と張虎(Zhang Hu)博士を論文の共同筆頭著者として発表された。(c)Xinhua News/AFPBB News