【10月23日 AFP】中国の王毅(Wang Yi)外相は21日、訪問中のフランス・パリでAFPの独占インタビューに応じ、中国本土への容疑者引き渡しを可能とする「逃亡犯条例」改正案をきっかけに始まった香港の抗議デモについて「純然たる暴力」と非難した。また、デモをあおっているとして諸外国や海外のメディアを批判した。

 王外相のコメントは、香港デモに対する中国高官の発言としてはこれまでで最も直接的な非難の言葉となった。また王氏は「現在香港で起きていることは平和なデモなどではまったくない」「純然たる暴力だ。どの国においても受け入れられない行為だ」と述べ、デモ参加者が警察や一般市民に危害を加えている上に交通機関もまひさせていると非難した。

 中国政府は抗議デモに好意的な欧米諸国の政治家らの発言を引用しつつ、「外国勢力」が香港の混乱に拍車をかけているとの批判を繰り返しており、王氏も「一国二制度導入以降の歴史的な歩みを消し去り、香港を不安定化させる目的でこのような暴力をけしかけて混沌(こんとん)の種をまいている外国勢力がいる」と述べ、抗議デモに外国人が関与しているとの主張を展開。

 さらに「このような試みは決して成功しない」と述べ、香港政府が「社会的秩序と法の支配への敬意」を再び確立することができるとの見解を示した。

 王氏はまた「中国政府から支援を受けつつ、香港は今後も一国二制度の下にあり続ける」と強調した。(c)AFP