【10月21日 AFP】ミャンマー沖で漁師らが引き揚げた複数の麻袋の中から、末端価格にして2000万ドル(約22億円)相当のメタンフェタミン(結晶状覚せい剤)が見つかった。当局者が20日、AFPに明らかにした。ミャンマーはメタンフェタミンの世界最大の生産国と考えられている。

 漁師らは16日、同国南部エヤワディ(Ayeyarwady)地域沖のアンダマン海(Andaman Sea)で、多くの麻袋が浮かんでいるのを発見。その数は23袋に上った。

 それぞれの麻袋の中には、プラスチック包装された袋が入っており、中国茶のラベルが貼られていた。この偽装は、東南アジアの犯罪組織がメタンフェタミンを日本や韓国、オーストラリアなど遠方に密輸する際によく使う手口とされている。

 漁師らと警察に協力した政党・国民民主連盟(NLD)の職員、ゾー・ウィン(Zaw Win)氏によると、地元住民は麻袋に入っていたメタンフェタミンを、ミャンマーで広く使用されている消臭剤の「カリウムミョウバン」だと思い「燃やしたところ、数人が失神しそうになった」ため、警察に通報したという。

 これを受けて警察は17日、海辺を徹底捜索し、同じ物質が入った麻袋をさらに2袋発見した。結果押収されたメタンフェタミンは、約22億円相当に及ぶ計691キロに上ったという。

 ゾー・ウィン氏は、「私が生まれてこの方、また両親でさえも、(アンダマン)海に薬物が浮いている様子など見たことがない」と語った。(c)AFP