【10月21日 AFP】20日に行われたラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)準々決勝で南アフリカに敗れ、ベスト8で姿を消した日本代表だが、チームを率いるジェイミー・ジョセフ(Jamie Joseph)ヘッドコーチ(HC)は、日本のラグビーが「良い位置にいる」と強調した。

 日本はこの日、南アフリカに3-26で完敗。この結果、南アフリカが次週行われるウェールズとの準決勝へ駒を進め、ブレイブブロッサムズ(Brave Blossoms、日本代表の愛称)の母国開催のW杯での冒険はここで終わりを迎えた。

 それでもジョセフHCは、試合残り5分の戦いぶりを引き合いに出しながら、「日本チームを本当に誇りに思う」「20点以上の差をつけられたが、倒れっぱなしの選手は一人もおらず、立ち向かう力を全員が示してくれた」「それがW杯の後に生きてくると思う」と話した。

「先のことは分からないが、今の日本ラグビーは良い位置にいると思う」と語るジョセフHCは、38歳のトンプソンルーク(Luke Thompson)の代表復帰や、ジェームス・ムーア(James Moore)がクラブチームでプレーする凡庸な選手から生まれ変わったことを指しながらも、「日本人の若手が出てきているし、それこそが日本ラグビーの未来だ」とコメントした。

 プールステージ突破を「多くの人がたくさん努力した結果」と話すジョセフHCは、日本の未来は明るいと語る一方で、現在のトップリーグや大学ラグビーの構造を見直す必要性についても言及している。日本には、協会が一括して選手らとプロ契約を結ぶ仕組みがなく、「安定したメンバー選出を行うのが難しい」と指揮官は話している。

「多くの人から注目されていたが、われわれのラグビーは変わっていない。見ている人たちが大いに盛り上げてくれたということ」「この国には間違いなく優秀なラグビー選手がいるから、正しいシステムさえあれば、これからも成長していけると思う」

 まだ高校生だった15歳のときにニュージーランドから日本へ留学し、代表の主将を務めるまでになったリーチマイケル(Michael Leitch)は、南アフリカが「素晴らしかった」と認め、「相手はとても強くて、特にスクラムとモールがすごかった」と話しながらも、「僕らも最後まで、80分間フルに戦い続けることができた」と続けた。

「満足はしていない」というリーチは、それでも「このチームの一員でいられたことをとにかく誇りに思う」「みんなには、下を向かないで『顔を上げよう』と言った。チームメートをすごく誇りに思うし、みんなも誇りに思うべきだと伝えた」と話している。(c)AFP/Luke PHILLIPS