【10月18日 AFP】ラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)に出場している南アフリカ代表のラシー・エラスムス(Rassie Erasmus)ヘッドコーチ(HC)は、20日に行われる日本との準々決勝で開催国の盛り上がりに水を差すべく、同国と地元ファンへの愛着を封印する必要があるとの認識を示した。

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 今回のW杯でスプリングボクス(Springboks、南アフリカ代表の愛称)はファンに高い人気を誇っており、日本と対戦していないこともあって、南アフリカのレプリカユニホームを身に着けた日本ファンの姿が多く見られている。

 しかし今の南アフリカは、自国開催での実に驚くべき準決勝に向けて日本の前に立ちはだかる存在であり、エラスムスHCは勝つためには感情を抑えていく覚悟を決めていると語った。

 エラスムスHCは、「日本の方々を嫌いになるのは本当に難しい」と笑顔を見せ、「彼らは南アフリカだけでなく、すべてのチームを受け入れ、もてなしてくれている。どこへ行っても南アフリカのジャージーを着て、ここが地元のような気持ちにさせてくれるのは本当に特別なことであり、これまでの人生で経験したことは一度もない」と述べた。

 さらに、超大型の台風19号(アジア名:ハギビス、Hagibis)によってインフラが破壊され、多くの犠牲者が出てからわずか24時間後に、日本がスコットランドとのプールA最終戦で「強さ」を発揮し、勝利を手にしたことについても称賛した。

 また、日曜日(20日)の試合ではチームが「熱狂的に」迎え入れられる一方で、ファンが敵意を向けてくることは予想しておらず、そのことにも敬意を表した上で、「今週彼らに大いに感心させられた理由は、その誠実な姿勢に他ならない」と述べた。

「そう話しながらも、われわれは母国のためにプレーしているのであり、W杯で優勝を目指していきたい。戦いに向けて、残念ながら日本はこの一週間は敵だ」「この国と人々のことは大好きだが、われわれは必ず彼らを倒してみせる」 (c)AFP