【10月18日 AFP】キューバ出身の若者7人が、韓国南部昌原(Changwon)で開催された「Kポップ・ワールドフェスティバル(Changwon K-pop World Festival)」で、夢のステージに上がった。彼らはこのステージに立つためこれまで7か月間、通りや公園、車庫などでKポップスターの動きを練習してきた。

 フェスティバルは韓国政府が出資するKポップコンテストで、世界中から集まった出場者らがKポップスターになりきりヒット曲をカバー、数千人の観客が声援を送った。

 鏡のある場所で練習したことはなく、誰かに振り付けを教えてもらったこともないが、とにかく練習を続けたと、キューバの首都ハバナ出身のカレル・ロドリゲス・ディアス(Karel Rodriguez Diaz)さんは話す。カレルさんの身のこなしやヘアスタイルは、Kポップスターにそっくりだ。

「キューバだけでなく、中南米を代表するチームとしてコンテストに出場できてとてもうれしい」と、チームメートのエリオ・ゴンザレス(Elio Gonzalez)さんは述べた。

 主催者によると、予選には80か国以上から約6400人が参加した。クウェートやマダガスカルなどさまざまな地域出身の13のグループが、自国の旗を手に昌原での決勝に臨んだ。

 司会を務めたKポップアイドルグループITZYのリア(Lia)さんは、「まるでKポップの五輪のよう」と表現した。

■華やかな舞台の裏で…

 Kポップは韓流ドラマと同じく、最も成功した韓国の文化輸出の一つだ。過去20年間にわたりアジア内外を席巻した「韓流」の柱であるKポップ産業は、ヒップホップボーイズグループ「BTS(防弾少年団)」の活躍もあり、市場規模は50億ドル(約5400億円)に達したと推定されている。

 だが、華やかで魅力的なイメージの裏で、激しい競争やプライバシーの欠如、インターネット上のいじめがあることで知られており、Kポップスターらはどんな犠牲を払っても、健全なイメージを保たなければいけないという絶え間ない圧力にさらされている。

 女性アイドルグループ「f(x)(エフエックス)」の元メンバー、ソルリ(Sulli)さんが14日、自宅で亡くなっているのを発見され、世界中のファンに衝撃が走った。ソルリさんは長年、ネット上でいじめの対象になっていた。(c)AFP/Claire LEE