【10月17日 AFP】香港の立法会(議会)は17日、会期2日目に入ったが、林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官にやじを飛ばした民主派の議員らが警備員によって議場外へ排除されるなど、長官の施政方針演説が中断された前日に続き混乱した。

 3か月前にマスクで顔を覆ったデモ参加者らによって破壊された議会は、16日に新たな会期を迎えた。しかし開会直後から林鄭氏は、議会少数派の民主派議員らの非難にさらされ、施政方針演説を始めようとしたが繰り返し妨害を受け断念。代わりに事前録画しておいた施政方針演説の映像を発表するに至った。

 林鄭氏は施政方針演説の内容に関する質問に答えるため、17日も議会に出席した。だが、抗議のスローガンを連呼した民主派議員らが1人ずつ場外へ引きずり出されるなど、議場は再び混乱に陥った。

 施政方針演説の内容に対しては民主派の議員らだけでなく林鄭氏の周辺からも、現況に関する実質的な政治的解決案がほとんど含まれていないとして批判が上がっている。

 代わりに林鄭氏は経済問題に焦点を当て、世界の中でも不動産価格が特に高い香港で、購入しやすい住宅や土地の供給を増やすと約束。わずかな助成金も提供すると述べた。(c)AFP