【10月16日 AFP】オランダの首都アムステルダムの有名な水上花市場で販売されたチューリップの球根のうち、花が咲いたのは全体のわずか1%だったとする調査結果が15日に発表された。消費者に対するごまかしが常習的に行われていることが明らかになった。

 調査はアムステルダム市とチューリップ農家らの委託で行われた。球根1袋につき、パッケージ通りの色の花を咲かせる球根がしばしば1個しかないことや、封入量が表示より少ないことなども判明した。

 オランダ球根生産者協会(KAVB)は、チューリップの球根販売において「消費者に対する詐欺が常態化していることが調査で明らかになった」と発表。KAVBのルネ・ルクレア(Rene le Clercq)会長は、「大勢の観光客や日帰り旅行者がだまされている」とコメントした。

 水上花市場はアムステルダムでも指折りの観光地。1862年ごろ、花売りたちがアムステル川(Amstel River)沿いに花を運んできたのが始まりとされる。

 ルクレア氏はチューリップについて、400年前に初めてオスマン帝国から輸入されて以来「わが国の象徴となり、球根産業はオランダ経済の重要な担い手となってきた」と説明する一方、「チューリップの球根に関する詐欺は、過去20年にわたって続く問題となっている」と述べた。

 チューリップは花を春に咲かせるため、北半球の場合8~12月に球根が販売され、冬が始まる前に植えられる。

 アムステルダム市の広報はAFPに対し、調査は今年の春に実施されたと明かした上で、「そもそも春にチューリップの球根を売っているのがおかしい。オランダのまともな園芸店なら、そんなことをしない」と語った。(c)AFP/Jan HENNOP