【10月16日 AFP】欧州サッカー連盟(UEFA)は15日、欧州選手権(UEFA Euro 2020)予選の直近2試合で、選手たちが軍隊式の敬礼を行うなど「挑発的な政治的行動をした可能性」について、トルコに対する懲戒手続きを開始したと発表した。

 11日のアルバニア戦と14日のフランス戦で終盤にゴールを挙げたトルコの選手たちは、自国によるシリアへの軍事作戦を支持するかのような敬礼を見せ、得点を喜んだ。

 UEFAは発表文の中で、今回の調査を行うよう「倫理・規律検査官」を指名したと明かした。

 イスタンブールで行われたアルバニア戦で、ジェンク・トスン(Cenk Tosun)が90分に決勝ゴールを決めると、トルコの選手たちは敬礼を行い、また仏パリ近郊で開催されたフランス戦では、82分にカーン・アイハン(Kaan Ayhan)が同点弾をマークすると、トルコの選手たちはやはり敬礼を見せ、試合後にもこれを繰り返した。

 トルコによるシリアのクルド人勢力への軍事作戦をフランス政府は非難しており、両国による一戦は緊張感が高まる中1-1のドローに終わった。

 トルコのメフメト・ムハッレム・カサップオール(Mehmet Muharrem Kasapoglu)青年スポーツ相は15日、フランス戦で自国の軍隊に敬礼した選手たちを支持すると表明した。

 カサップオール氏は、今回の論争は不当なものであり、フランスのアントワーヌ・グリーズマン(Antoine Griezmann)も6月に同国のエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領に向けて軍隊式の敬礼を見せていたという事実を指摘。

 テレビ中継された記者会見の中で「グリーズマンの軍隊式敬礼について沈黙を貫く人は、われわれの代表チームの選手たちが行った素晴らしい敬礼をゆがめようとしている」とコメントし、同選手が敬礼している写真を示した。

 さらに同相は、今回の件を批判している人は、トルコが予選グループで首位に立っているという成功から気をそらせようとしていると語った。

「ピッチ上の過ちを排除しようとしている人は、努力することをやめるべきだ。結果は明らかだ」 (c)AFP