【10月16日 CNS】中国の5G商戦がスマホメーカーにとどまらず、通信事業三大キャリアにまで及んでいる。中国新聞社(China News Service)系列の財経メディア「中新経緯(Economic View)」の統計によると、三大キャリアの5Gパックサービスの予約申し込みが、9日午前11時の時点ですでに1000万人を突破していた。

「5Gパック料金はいつになれば決まるのか」——三大キャリアはまだいずれも明確な答えを出していないが、消費者の5G熱にはまったく影響がない。

 現在三大キャリアは、5G予約第一陣のユーザーに対して少なからぬ優遇措置を用意している。中国移動(チャイナモバイル、China Mobile)はすべての5Gパックに対して連続6か月間のパック割引を適用、インターネット利用実績5年以上のユーザーは30%割引、5年未満は20%割引。このほか、予約第一陣のユーザーは300元(約4600円)や500元(約7660円)のスマホ購入補助金が得られる。

 同様に、中国聯合通信(チャイナ・ユニコム、China Unicom)と中国電信(チャイナテレコム、China Telecom)にもいくつかの優遇措置がある。

 5G通信の運営許可は4か月も前に出されているが、現在も料金がはっきりしていないことが消費者の最大の関心事の一つとなっている。中国聯合通信の王暁初(WangXiaochu)董事長は8月に「5Gの普及は2段階で進める。第1段階は過渡期で今から11月か12月まで、この時期の最低料金は1か月190元(約2910円)とする」と明かしたことがあった。この料金レベルを参考にすれば、同社のユーザー歴3年以上の人は、優遇期間内で月当たり133元(約2040円)となる。

 ほかの2社は公式には何も発表していないが、中国電信の5Gパック料金帯は199元(約3050円)~599元(約9170円)との情報も流れていた。

 通信分野のアナライザーの付亮(Fu Liang)氏は「5Gパック料金は190元程度で販売するのは難しく、初回の料金は最終的には比較的高めになる可能性が高い。割引後でも100元(約1530円)を超す料金はごく当たり前のレベルだ。通信キャリアはこれまでに巨額の資金を投入しており、大きな収益圧力を受けている」と分析する。

 また付亮氏は「本当に5Gパックにグレードアップするユーザーは、予約人数よりも少なくなる。主な原因は、現段階の5Gネットのカバー率の問題だ」と予想している。

 現状から見て、4Gから5Gの過渡期段階では非常に長い期間を必要とすると思われる。公開された資料によると、現在1級都市ですらも、5Gネットで大規模にカバーされるまでにはなお時間が必要と言われている。(c)CNS/JCM/AFPBB News