【10月15日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)、ロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)でプレーするレブロン・ジェームズ(LeBron James)は14日、香港の反政府デモを支持する内容をツイッター(Twitter)に投稿し、中国から反発を招いたヒューストン・ロケッツ(Houston Rockets)のダリル・モリー(Daryl Morey)ゼネラルマネジャー(GM)に関して、「認識不足」であり、口を閉じているべきだったと痛烈に批判した。

 モリーGMのツイートをめぐり、現在中国ではNBAの未来が不透明な状況になっている一方で、米国では中国政府が他国の言論を統制しようとしているとの反発の声が上がっている。そうした中でのジェームズの発言は、リーグを代表する選手や関係者の中では最も率直なものとなった。

 NBAのアダム・シルバー(Adam Silver)コミッショナーや政治家を含め、米国ではモリーGMには声を上げる権利があると擁護する声が多いものの、ジェームズは軽はずみな言論の自由の行使は危害を及ぼしかねないとの認識を示した。

 世間で注目されている問題に関して積極的に発言することで知られるジェームズは、ゴールデンステイト・ウォリアーズ(Golden State Warriors)とのプレシーズンゲームを前に、「彼(モリーGM)は、目の前の状況に関して認識不足のまま口を開いたと思う」と報道陣に語った。

「大勢の人が、経済的にだけでなく、身体的、感情的、そして精神的に危険にさらされかねなかった。だから、何をツイートし、何を話し、何をするかは慎重にならないと」「もちろん、自分たちには言論の自由がある。しかし、同時にたくさんの悪影響を伴うことがある」

 レイカーズとブルックリン・ネッツ(Brooklyn Nets)は前週、プレシーズンゲーム2試合を行うために中国に遠征していたが、モリーGMが「自由のために戦おう。香港と共に立ち上がろう」とツイートしたことにより、騒動に巻き込まれた。

 普段は率直な物言いをすることで知られるウォリアーズのスティーブ・カー(Steve Kerr)ヘッドコーチ(HC)やステフェン・カリー(Stephen Curry)が、今回の騒動に関して明確な立場を示さずに批判を浴びる中で行われたジェームズの発言は、中国のインターネット上で称賛の声が上がっている一方で、米国では激しいバッシングにさらされている。(c)AFP