【10月15日 AFP】米ホワイトハウス(White House)は14日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領になぞらえた人物が報道関係者や政敵を虐殺するフェイク動画が支持者の集会で流されたことについて、トランプ氏が「強く非難している」と発表した。

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 問題の動画は、トランプ氏がフロリダ州に所有するリゾート地の一つで支持者が開いた集会で流された。2014年の米スパイ映画『キングスマン(Kingsman: The Secret Service)』の1シーンを加工し、頭の部分にトランプ氏の画像を重ねられた人物が、「フェイク(偽)ニュースの教会(Church of Fake News)」の中で発砲し、次々に人を殺していく内容。

 撃たれたり刺されたりして虐殺されていく被害者の頭の部分には、米テレビ局のCNNABCCBSNBCや英国放送協会(BBC)、米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)といったメディア機関のロゴが重ねられていた。

 また故ジョン・マケイン(John McCain)上院議員や、2020年米大統領選のライバルとされるバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員、バラク・オバマ(Barack Obama)前大統領といったトランプ氏の政敵の顔をした人物らも襲われている。

 ステファニー・グリシャム(Stephanie Grisham)米大統領報道官は、トランプ氏本人は問題の動画をまだ見ておらず間もなく見る予定だが、「これまでに聞いたあらゆることに基づき、この動画を強く非難している」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 しかし、グリシャム氏の投稿から数時間たち、トランプ氏本人は他のテーマについてはいくつかツイッターに投稿したが、この動画については何の反応も示していない。

 トランプ氏本人やその支持者は報道機関をたびたび激しく非難してきた。集会では、トランプ氏が取材中の報道陣を「フェイクニュース」「国民の敵」などと呼び、ブーイングやじを飛ばすよう支持者らをあおることもしばしばだ。またトランプ氏は顔にCNNのロゴが重ねられたレスラーを自らが倒す加工動画をツイッターに投稿したこともある。(c)AFP/Jerome CARTILLIER