【10月15日 AFP】ラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)に出場している南アフリカのラシー・エラスムス(Rassie Erasmus)ヘッドコーチ(HC)は、日本との準々決勝に備えている中で、チームは2015年大会で「ブライトン(Brighton)の奇跡」と称された日本戦での悔しい敗戦を「消し去った」という認識を示した。

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 大会の数日前に行われた壮行試合で、南アフリカはブレイブブロッサムズ(Brave Blossoms、日本代表の愛称)を41-7で一蹴した。エラスムスHCは、この勝利でチームが2015年の悪夢を追い払ったと強調し、「正直なところ、日本との壮行試合はブライトンの試合を消し去ることが目的だった」とコメント。

 続けて「これで1勝1敗。次が本当に厳しい戦いになる。これで勝負は五分だ。あの試合は過去であり、これからは聞かれないことを願う」と笑いながら話した。

 日本が28-21でスコットランドを撃破した試合を、選手たちとは別に南アフリカの首脳陣と観戦していたというエラスムスHCは、「日本は非常にバランスの取れたチームであり、誰か一人を取り上げることは難しい。一つのユニットとして、彼らは本当に手ごわい相手だ」と語った。

 スプリングボクス(Springboks、南アフリカ代表の愛称)の指揮官は、すでに準々決勝に先発する15人を選抜したといい、スター選手のWTBチェスリン・コルビ(Cheslin Kolbe)が足首のけがから復帰して日本戦に臨むことも「99パーセント」確信していると明かした。

 また、ゲームプランとしては壮行試合で効果的だったキック戦術を主なベースにするとしながらも、敵将のジェイミー・ジョセフ(Jamie Joseph)HCが「かなりの鋭さ」で対応してくるとみられる中で、今回はそれだけでは不十分だとの考えを示した。

 エラスムスHCは、日本がキックを使ったのはスコットランド戦では8回にとどまったのに対し、サモア戦では32回も多用していたことを引き合いに、ブレイブブロッサムズが相手によっていかに多彩な戦略を準備していたか感銘を受けたといい、「われわれは全く新しいプランを考えないといけない。彼らのペースとスピードに対応できる何かが必要だ」と述べた。

「日本の人々を嫌いになるのは本当に難しい」とジョークを飛ばしながらも、開催国の盛り上がりに水を差すべく南アフリカの選手たちを鼓舞していかなければならないと考えているエラスムスHCは、「われわれは母国のためにプレーしているのであり、W杯で優勝を目指していきたい。来週の戦いに向けて、残念ながら日本はこの一週間は敵だ」と語った。

「この国と人々のことは大好きだが、われわれは必ず彼らを倒してみせる」 (c)AFP