【10月14日 AFP】第49回世界体操競技選手権(49th FIG Artistic Gymnastics World Championships)は13日、ドイツ・シュツットガルト(Stuttgart)で男女の種目別決勝が行われ、米国のシモーネ・バイルス(Simone Biles)が今大会四つ目と五つ目の金メダルを獲得し、メダル数を25個に伸ばして「過去一番」の世界選手権を締めくくった。

 バイルスはこの日、まずは平均台で金メダルを獲得すると、それからわずか2時間ほどで行われたゆかで通算5回目の優勝を達成。個人総合と団体、跳馬と合わせて今大会5個の金メダルを獲得し、世界体操の金メダル数を前人未到の19個にまで伸ばした。

 出場した6種目中5種目で優勝し、自身5回目の世界体操を終えたバイルスは「これまでの世界体操と比べても、本当に一番の演技ができた」と話した。

 メダル合計25個は、ベラルーシのビタリー・シェルボ(Vitaly Scherbo)氏が1990年代につくった通算23個を上回る単独1位の記録となった。また、1大会で5個の金メダルを獲得するのはバイルスとしても初めてだったが、本人は、今大会が「99.9パーセント」最後の世界体操になると話している。

 平均台では、19歳の劉婷婷(Liu Tingting)と16歳の李詩佳(Li Shijia)の中国勢がそれぞれ銀メダルと銅メダルを獲得した。ゆかではバイルスと同じ米国のスニサ・リー(Sunisa Lee)が銀メダル、ロシアのアンジェリーナ・メルニコワ(Angelina Melnikova)が銅メダルを手にした。

 男子では、すでに個人総合と団体で優勝しているニキータ・ナゴルニ(Nikita Nagornyy、ロシア)が跳馬を制して大会3冠を達成。こちらも2020年東京五輪の注目選手となっている。個人総合と同じく、同胞アルトゥール・ダラロヤン(Artur Dalaloyan)との争いを制しての優勝だった。

 ダラロヤンは鉄棒で銅メダルも獲得し、個人総合の銀と団体の金、跳馬の銀に続いて今大会4個目のメダルを手に入れた。金メダルはブラジルのアルトゥール・オヤカワ・マリアーノ(Arthur Oyakawa Mariano)が獲得した。

 平行棒では、同種目の出場選手の中で最年少のジョー・フレーザー(Joe Fraser)が優勝して「夢がかなった」と喜び、英国に今大会2個目の金メダルをもたらした。(c)AFP/Ryland JAMES