【10月13日 AFP】インドネシア・バリ(Bali)島で12日、202人の犠牲者を出した爆弾テロ事件から17年を迎え、遺族や生存者ら多数が犠牲者を追悼した。同国では今でも、イスラム武装勢力による攻撃が後を絶たない。

 2002年に攻撃が起きた同島の人気観光地クタ(Kuta)にある記念碑では、悲しみに暮れる遺族や生存者、複数の国の大使館の代表者らが花束や線香を手向けた。

 犠牲者を追悼するためにろうそくをともして行われた追悼式では、泣き崩れたり、気絶したりする遺族もいた。犠牲者の多くは20か国以上から訪れた外国人観光客で、オーストラリア人が88人と最も多かった。

 式典に出席した鈴木孝子(Takako Suzuki)さんはAFPの取材に対し、爆弾攻撃の犠牲となった息子の康介(Kosuke Suzuki)さんを追悼するため、日本から毎年訪れていると語った。

 この事件を実行したのは、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)と関連があるインドネシアのイスラム武装勢力ジェマ・イスラミア(JI)。混雑したナイトスポット2か所が狙われ、202人全員が犠牲となった。米領事館前でも爆発が起きたが、被害はなかった。

 2001年9月11日に起きた米同時多発攻撃の翌年に発生したこの事件により、アジアでもテロとの戦いが始まった。

 世界最大のイスラム教徒人口を持つインドネシアでは、イスラム武装勢力との戦いが長引いており、ジョコ・ウィドド(Joko Widodo)大統領は11日、さらなる攻撃を防ぐため治安対策を強化するよう命じた。(c)AFP