【10月13日 AFP】タイ北東部のカオヤイ国立公園(Khao Yai National Park)で、ゾウ11頭が滝に落ちて死んだことを受け、再発を防ぐためにフェンスを増強する作業が行われていることが分かった。同国の環境相が明らかにした。

 現場となったのは「地獄の淵(Haew Narok)」と呼ばれる滝。今月5日にゾウ6頭の死骸が見つかり、その後ドローンを投入した捜索でさらに5頭の死骸が見つかった。当局は、最初に子どものゾウが崖から滑り落ち、このゾウの元に近づこうとした他のゾウたちが次々に転落したとみている。

 ワラウット・シラパアーチャー(Varawut Silpa-archa)天然資源・環境相はAFPに対し、転落は免れたものの、滝の上の滑りやすい岩場の片隅で身動き取れなくなっているところを発見された2頭は「健在」で、快方に向かっていると話した。

 同国立公園では現在、安全対策が強化されており、他のゾウたちが滝に近づくのを防ぐため、付近に水場や餌場を増やす取り組みを当局が支援。さらにワラウット氏は、「既存のフェンスと仕切りを増強するよう指示した」という。

 当局はまた、ゾウの重い死骸を回収するという難題にも直面。タイ国立公園・野生動物・植物保全局(DNP)はひとまず下流に網を設置し、流されてきた死骸を受け止めるとしている。

 滝に落ちたゾウたちに関し、タイは今年干ばつに見舞われているため、新たな水場を探していたのではとの見方もあれば、人間との接触を避けようとしていたのではないかという見方もある。(c)AFP