【10月10日 AFP】燃料価格の高騰に抗議するデモが激化しているエクアドルで9日、デモ隊と治安部隊の衝突が2日連続で発生した。こうした事態を受けて、政府は原油輸送の大半を担うパイプラインの停止を余儀なくされた。

 政府庁舎にほど近い首都キト中心部の広場で先住民団体と農民、学生、労働組合の数千人がデモ行進を実施する中、デモ隊と治安部隊が衝突。覆面姿のデモ参加者らは、火焔瓶や敷石を投げた。

 国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)にも登録されているキトの旧市街は、催涙ガスと燃えるタイヤから立ち上る黒煙に覆われた。

 エネルギー・非再生可能天然資源省は、2本ある国内石油パイプライン網の一本の運転を停止し、全送油量の3分の2の送油をストップしたと発表した。

 エクアドルは先週、経済的制約を理由に石油輸出国機構(OPEC)を脱退すると表明した。同国の産油量は日産50万バレル超。今年上半期は、輸出額にして46億ドル(約4900億円)相当を生産した。

 エネルギー・非再生可能天然資源省によると、一連のデモによる生産低下で、これまでに1280万ドル(約13億7000万円)の損失が出ているという。(c)AFP/Santiago PIEDRA SILVA