【10月10日 AFP】イランの女性サッカーファンは、10日にテヘランで行われる2022年W杯カタール大会(2022 World Cup)予選の試合をスタジアムで観戦できるようになる。これに先立ち国際サッカー連盟(FIFA)はイランに対し、スタジアムでのサッカー観戦が男性のみに許可されている状況を改善しなければ同国代表の大会出場資格を停止すると警告していた。

 イスラム国家のイランでは約40年間、男性的な雰囲気や半裸姿の男性がいる光景から女性を保護しなければならないとの理由で、女性がスタジアムでサッカーなどを観戦することが禁じられていた。

 FIFAは先月、イランに対し、女性に制限のないスタジアムへの入場を認めるよう命じ、女性の入場者数を観戦チケットの需要によって決めるべきだとしていた。

 9月初めには、男装してスタジアムへ入場しようとして逮捕されたサハル・ホダヤリ(Sahar Khodayari)さんが、首都テヘランの裁判所前で焼身自殺を図り死亡。ホダヤリさんは、ファンだったエステグラル・テヘランFC(Esteghlal Tehran FC)のチームカラーにちなんで、「ブルーガール(Blue girl)」と呼ばれている。

 10日にテヘランのアザディ・スタジアム(Azadi Stadium)で行われる2022年W杯予選の対カンボジア戦をめぐり、女性ファンらはチケットの取得に殺到。報道によるとチケット販売の初回分は1時間もたたないうちに終了。追加席もすぐに完売した。

 ファルス(Fars)通信によれば、チケットを入手できた幸運な女性3500人は、女性警官約150人の警備の下、男性席から離れたところで、試合を観戦することになる。(c)AFP/Amir Havasi