【10月13日 CNS】アリババ系ネット決済プラットフォーム「螞蟻金融服務(アントフィナンシャル、Ant Financial)」は2日、同社が独自に開発したデータベースのOceanBaseが、TPC-Cデータベース基準性能テストの世界記録を打ち破り、前世界記録保持者であるオラクル(Oracle)の2倍の成績を獲得した。データベースで最も権威性のある国際的機構「トランザクション処理性能評議会(TPC)」が公式サイトで最新結果を報じた。

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 TPC-Cは世界の主流コンピューターメーカーやデータベースメーカーが認める評価基準で、「データベース領域のワールドカップ」と称される。

 中国工程院(Chinese Academy of Engineering)院士でコンピューター専門家である李国傑(Li Guojie)さんは「オラクルが9年もの長い間守ってきたTPC-C基準性能テストの世界記録をOceanBaseが打ち破ったことは、中国の基礎ソフトが歴史的に大きな前進をしたことを表している」と話す。

 今回2倍以上の大差でオラクルを破ったアリババは、かつてはオラクル中国の優良顧客で、淘宝(タオバオ、TaoBao)や支付宝(アリペイ、Alipay)で使われる98%以上のソフトとビジネスはオラクルのデータ提供サービスを受けていた。

 しかし、「独身の日(11月11日)」のネット通販イベントが超巨大なビジネスへと変貌し、ネット通販が急激に成長を遂げる中で、引き続きオラクルを使用するには数十億円が必要という重大な問題が現れた。

 結局、アリババは自主開発を選択。当時、データベース開発部隊があったが、20人しかおらず、チームの責任者はそれまでは別会社のデータベース開発者で、2年間何も成果を上げられずにクビになった人だったため、多くの人は期待していなかった。一方、オラクルには10万人以上の技術者がおり、核心的データベースの研究開発を行っている人は2000人以上いた。アリババの経営者は十分に我慢強かったといえる。

 現在、OceanBaseはアントフィナンシャルとアリババの業務システムの中で、広く使われている。2017年以降、OceanBaseデータベースは一般開放され、そのサービスは銀行や保険など金融機構などにも提供されている。(c)CNS-科技日報/JCM/AFPBB News