【10月8日 AFP】男子テニス、世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は、来年の東京五輪に向けてウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2020)終了後は早めに来日し、大会期間中の猛暑に体を慣らす計画を立てている。

 夏の東京は高温多湿に見舞われ、選手をはじめファンやボランティアの体調に影響を及ぼすと多くの専門家が警告している中、ジョコビッチは暑さを最小限に食い止める対策を講じるよう促し、「国際テニス連盟(ITF)には何とかして適切なスケジュールを組んでもらいたい」と話した。

「男女(のシングルス)、ダブルス、混合ダブルスがあり、試合数も選手の人数も多い。その全部を10日間くらいでこなさなければならない」「厳しい暑さを避ける中で適切な日程を組むのは至難の業だろうけど、実際のところどうやってやりくりするのかな? それが問題だ」

「一部の試合は午後1時、2時、3時のプレーを余儀なくされる。それに暑さが加わったら、選手やファンらスタジアムにいる誰もが非常に厳しい状況にさらされる」

 ジョコビッチはまた、ウィンブルドンが終了して東京五輪が開幕するまでは約2週間しかなく、トップ選手には特に日程が厳しくなることから、「すでに過密スケジュールなのに五輪が加わったら、かなりの負担になる」と強調した。

 その一方で、五輪に母国代表として出場することに意欲を燃やしているジョコビッチは、2008年北京五輪で手にした銅メダル以上を目指しており、「出場する。ここ(東京)に来てプレーするつもりだ。健康と体調を維持してから、当たり前だけれど、ここに来るよ」とジョークを飛ばした。

「全力を尽くして大会に備えていく。最も大切なのは準備と体調の維持、そして気候に慣れて適応していくことだ」

 東京の夏の酷暑は大会関係者にとって大きな頭痛の種になっており、暑さを軽減するための対策が急がれる中で、一部競技ではスタート時間を早めたり、人工雪を降らせたりする案まで出ている。今夏のテストイベントの多くは、気温と湿度を取り入れた国際的な指標、暑さ指数(WBGT)で運動するには「危険」とされる状況の中で行われた。(c)AFP