【10月16日 CNS】社会人になってまだ1年もたたない賀珮(He Pei)さんは、「ご祝儀」に関する悩みの真っただ中にある。国慶節の休暇中に行われる結婚式の招待状が8件も届いたのだ。仮に全部参加すると、ご祝儀だけで7000元(約10万5000円)を準備しなければならない。彼女の給料1か月分に相当する金額だ。

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 大多数の人々にとって、隣家の引っ越しや親戚に子供が生まれた時、近しき人の誕生日など、お祝い事にはご祝儀が不可欠だ。

 賀さんは、小さいころから、両親から人との付き合いはとても大切だと教えられてきた。関係の良しあしは大切な時に顔を見せたかどうか、関係の深さはご祝儀の金額を見る、と教わった。

 賀さんは親の教えをしっかり守り、招待状を受けとれば、必ずお祝いを出すようにしてきた。「今回結婚式の招待状を送ってきたこの同僚との関係は実はあまり親しくない。でも、招待状をもらった以上は、たとえ参加できなくとも、最低限ご祝儀は出さなければならない」という。

 ただ、7~8年連絡のなかったクラスメートが突然電話をかけてきて、結婚式へ出てくれと言われる場合、賀さんは内心、違和感を覚えるという。「最終的に相手の顔を立てて結婚式に参加するにしても、参加せずに人にご祝儀を託すにしても、本音を言えば困ったという気持ちだ」という。

 金額については、各地の相場に合わせるという。賀さんの実家は中部の省にあり、親戚の婚礼の場合、最低1000元(約1万5000円)から。1万元(約15万円)を超えることもある。クラスメートや友人の婚礼は500元(約7500円)以下だと「話にならん」と笑われる。

 少し前にネット上に配信された全国ご祝儀相場によると、金額は所在地の経済水準と直接的な関係はない。例えば、広東省(Guangdong)の経済水準は全国トップであるにもかかわらず、ご祝儀相場は中国全土の中で低い水準にあり、100~200元(約1500~3000円)は当たり前で、ネットユーザーからは「好ましい」と称賛されている。(c)CNS/JCM/AFPBB News