【10月7日 Xinhua News】中国科学院国家天文台の研究者らはこのところ、反復する高速電波バースト「FRB121102」を集中的に追い続けている。

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 国家天文台の副研究員で、中国貴州省(Guizhou)にある500メートル球面電波望遠鏡(FAST、通称「天眼」)の観測計画の責任者を務める銭磊(Qian Lei)氏は、FRB121102は先月、研究員が日常的な宇宙からの電波信号データを処理していた際に検出されたものだとし、高速電波バーストは通常、短時間の激しい現象で、発生数はパルサーよりはるかに少なく、このようにくり返し集中的に発生する高速電波バーストは珍しいと述べた。

 また「反復する高速電波バーストのパルスを統計・研究し、それに潜む法則を探ることで、こうした高速電波バーストの本質を究明したい」と語った。

 これに先立ち、中国の「天眼」が発見した反復する高速電波バーストは一種の神秘的な信号で、地球から約30億光年離れた場所から来ると考えられているとメディアが報じていた。

 これに対し、銭氏は「これがどういった天体なのか、実際のところ科学者たちも分かっていない。だから、地球との確かな距離なども分かるはずがない」との見解を示す一方、中国の研究者らはこのような「宇宙の奥深くから発せられる神秘的な電波」について、反復する高速電波バーストへの観測と研究を強化することが、その発生源と物理的メカニズムの解明に役立つと信じていると語った。(c)Xinhua News/AFPBB News