【10月15日 東方新報】2018年1月に中国でリサイクル用のごみ輸入が厳格化されて以来、各地の港湾では税関職員が違法な外国ごみの流入阻止に日夜奮闘している。浙江省(Zhejiang)杭州(Hangzhou)で唯一の固定廃棄物輸入指定港である嘉興(Jiaxing)港の税関では、高温と異臭立ち込める劣悪な環境のなか、中国の環境基準をみたしていない外国の廃紙ごみの送り返し作業が続いている。

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 嘉興地域は今夏、最高気温が40度前後の日が続き、コンテナ内の気温は50度を超えることもしばしば。税関職員たちは、額に汗を浮かべながら、コンテナを一つ一つ調べ、違法に送り込まれる外国ごみを検疫している。コンテナを開けたとたん、害虫の群れが飛び出してくることも。マスクをしていても、刺激臭にせき込んでしまう。

 蚊などの害虫は、外来新種による生態破壊の原因にもなるため、一部回収して科研に回さなければならない。

 嘉興港は2019年1~7月だけで累計3700トンの環境不合格廃紙ごみを米国やカナダに送り返した。中国では2017年7月に「外国ごみ輸入禁止固定廃棄物輸入管理制度改革実施法案」が打ち出されて以降、段階的に輸入固形廃棄物管理目録が調整され、輸入廃棄物の種類と量が大幅に規制された。しかし、コンテナにはそうした規定を無視し、基準にみたない違法な外国ごみが送りつけられてくる。これを水際で防ぐのはこうした税関職員たちである。

 税関職員の張洋洋(Zhang Yangyang)さんは「わが国への違法廃棄物流入を防ぐために税関検査は絶えず厳格化しています。嘉興の輸入廃紙の質は明らかに好転しています」と話し、「仕事はつらいけれど、責任は重大でとても意義があると思います。国家の環境、衛生、動植物保護など生態環境のためにすこしでも貢献したい」と胸を張っていた。 (c)東方新報/AFPBB News