【10月4日 AFP】弾劾の危機にさらされているドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は3日、2020年の大統領選での野党・民主党有力候補のジョー・バイデン(Joe Biden)氏に関し、中国とウクライナ両国に公然と同氏の調査を呼び掛けた。一方、ホワイトハウス(White House)を揺るがせている弾劾調査で、民主党議員らは米下院で証人の尋問を開始した。

 トランプ氏が自身の政敵に対抗するため外国に支援を求めたとされ、これがまさに弾劾調査のきっかけとなる中、トランプ氏はウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領と中国の習近平(Xi Jinping)国家主席がバイデン氏を追及することを望むと語った。バイデン氏は来年の大統領選に向けた民主党大統領候補指名争いで現在、首位に立っている。

 トランプ氏はホワイトハウス前で記者団に対し「ゼレンスキー大統領は、私だったら、バイデン一家に対する捜査を始めるよう勧める」と言明。「同様に、中国はバイデン一家の捜査を始めるべきだ。中国で起きたことはウクライナで起きたことと同じぐらい悪いことだからだ」と述べた。

 習氏に対しても同じことをするよう求めるかとの問いに対し、トランプ氏は「それは確かに考え始めてよいことだ」と応じた。

 トランプ氏が公の前での発言を工夫しようと努める中、2020年大統領選をめぐりホワイトハウスがウクライナに違法に支援を要請したとの疑惑について、カート・ボルカー(Kurt Volker)前ウクライナ担当特別代表は米下院での証言に臨んだ。ボルカー氏は弾劾調査における最初の主な証人となった。(c)AFP